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商品を保管する倉庫や、企業から店舗・消費者へ商品を届ける輸配送など、物流はさまざまなビジネスを支える重要な社会インフラです。
安田倉庫株式会社は、100年以上にわたって物流事業を展開してきた企業です。現在では一般的な倉庫・輸配送だけでなく、医薬品や医療機器を扱うメディカル物流、IT機器のキッティング、文書保管、国際物流など、専門性の高い物流サービスにも事業領域を広げています。
さらに、AIやロボティクスなどを活用した物流DXにも取り組み、物流現場の効率化や省人化を進めている点も特徴です。
この記事では、安田倉庫株式会社がどのような会社なのか、主な事業や特徴、物流DXへの取り組みなどをわかりやすく紹介します。
この記事でわかること
安田倉庫株式会社は、東京都港区に本社を置き、物流事業と不動産事業を展開している企業です。
その歴史は1919年に設立された「興亜起業株式会社」から始まります。1923年の関東大震災をきっかけに横浜の守屋町が復旧物資の陸揚げ地として利用され、1924年に倉庫業を開始しました。その後、東京・芝浦にも拠点を開設するなど事業を拡大し、1954年に現在の「安田倉庫株式会社」という社名になりました。
現在は、首都圏や関西圏を中心とした物流拠点と輸配送ネットワークを活用し、商品の保管から流通加工、配送まで幅広い物流業務を支えています。
さらに、メディカル物流やIT機器物流、文書情報管理、国際物流などにも対応しており、単に「商品を保管して運ぶ」だけではなく、企業ごとの課題に合わせた物流サービスを提供しています。
安田倉庫の事業は、大きく「物流事業」と「不動産事業」に分けることができます。
物流事業の中でも複数の専門分野を展開していることが特徴です。
国内物流では、倉庫・物流センターでの商品保管、流通加工、輸配送、サプライチェーンに関するソリューションなどを提供しています。
首都圏・関西圏を中心に物流施設を保有し、物流センターと輸配送ネットワークを組み合わせることで企業のサプライチェーンを支えています。
倉庫では商品特性に応じた保管環境を用意しており、常温だけでなく定温、空調、危険品などにも対応しています。
また、保管だけではなく、商品の検品やラベル貼り、値札付け、セット組み、梱包・包装などの流通加工にも対応しています。
輸配送についても、自社の物流ネットワークなどを活用し、首都圏・関西圏を中心とした区域配送から関東・関西・九州間の長距離輸送まで幅広く対応しています。
安田倉庫が専門性を高めている分野の一つが、医薬品や医療機器などを扱うメディカル物流です。
医薬品は一般の商品と異なり、品質を維持するための温度管理や適切な保管、記録管理などが重要になります。
安田倉庫では、医療用医薬品や一般用医薬品などについて、GDPを見据えた保管管理、物流センター運営、配送などを提供しています。
医療機器についても、保管・配送だけでなく、検査機器などの洗浄やメンテナンス、修理、ラベル貼付など、物流に付随するさまざまな業務に対応しています。
こうした専門性の高い物流サービスを提供できることは、安田倉庫の事業上の特徴の一つといえるでしょう。
パソコンやスマートフォン、サーバー、ネットワーク機器などを対象としたIT機器物流も展開しています。
安田倉庫のIT機器キッティングサービスでは、機器の保管だけではなく、各種設定や動作確認、配送、設置、回収、データ消去、廃棄まで一連の業務に対応しています。
さらに、企業が利用するPCやタブレットなどについて、導入から運用、保守、回収、データ消去までを支援する「IT機器ライフサイクルマネジメント(LCM)」も提供しています。
企業で利用するIT機器が増えるなか、物流会社として培った保管・配送機能とIT機器を扱う専門サービスを組み合わせている点が特徴です。
企業が保有する契約書や資料などの文書を預かる文書保管サービスも展開しています。
文書を専用施設で保管するだけではなく、ファイリング整理、スキャニングによる電子化、情報検索・配信、廃棄まで一貫して対応しています。
企業にとって大量の書類をオフィス内で保管することは、スペースや管理の負担につながります。外部の専門施設を利用することで、文書管理の効率化やオフィススペースの有効活用につなげることができます。
企業活動のグローバル化に対応するため、国際物流サービスも提供しています。
国際海上輸送や国際航空輸送、通関業務、海外での保管・配送、日本を経由しない三国間輸送などに対応しています。
中国、香港、ベトナム、インドネシア、シンガポール、インドなどの自社拠点と海外代理店ネットワークを活用し、企業の海外展開を物流面から支援しています。
また、AEO通関業者の認定を受けており、国際貿易に必要となる通関業務にも対応しています。
安田倉庫は物流事業だけでなく、不動産事業も展開しています。
保有する不動産の賃貸や開発、ビルメンテナンスなどを行っており、既存の物流施設をオフィスビルやホテル、商業施設などへ再開発してきた実績もあります。
物流と不動産という異なる事業を展開することで、事業基盤の多様化にもつなげています。

安田倉庫は1919年の創立以来、100年以上にわたり物流事業を展開してきました。
長い歴史のなかで、倉庫での商品保管だけでなく、輸配送、流通加工、国際物流などへサービス領域を広げています。
企業によって扱う商品や物流上の課題は異なるため、物流サービスには画一的な仕組みだけでは対応できないケースもあります。
安田倉庫では、これまで蓄積してきた物流ノウハウを活かし、商品の特性や企業の物流体制に応じた提案を行っています。
物流では、倉庫だけでなく、商品を必要な場所へ安定して届ける輸配送ネットワークも重要です。
安田倉庫グループは国内の物流拠点や輸配送網に加え、海外にも物流ネットワークを構築しています。
国内では首都圏・関西圏を中心とした物流施設や輸配送網を活用し、海外ではアジアを中心とした拠点や代理店ネットワークを通じて国際輸送に対応しています。
国内物流と国際物流を組み合わせられることによって、企業の幅広いサプライチェーンを支えることができます。
物流といっても、取り扱う商品によって必要な設備やノウハウは大きく異なります。
特に医薬品や医療機器、精密機器、IT機器などは、一般的な商品とは異なる管理や取り扱いが求められます。
安田倉庫では、メディカル物流やIT機器物流などの専門分野を展開し、保管・配送だけではない付加価値のあるサービスを提供しています。
医療機器分野では品質マネジメントシステムの国際規格「ISO13485」の認証も取得しています。
安田倉庫のサービスは、倉庫や配送を個別に提供するだけではありません。
全国にある複数の物流拠点の一元管理や在庫管理、物流コンサルティング、包装設計などにも対応しています。
中央の在庫拠点と地方の物流拠点を組み合わせ、販売情報に応じて在庫を配置するといったサプライチェーン全体の支援も行っています。
企業の物流業務を部分的に請け負うだけでなく、物流全体の効率化まで支援できることも特徴です。

物流業界では、EC市場の拡大による物流量の増加や人手不足などを背景に、業務の効率化や省人化が重要な課題になっています。
倉庫内では、商品の入庫、保管、ピッキング、仕分け、検品、出庫など多くの作業が発生します。
従来は人の手に頼る部分が多かった業務でも、現在では倉庫管理システムやAI、ロボットなどを活用することで、作業を効率化できるようになっています。
こうしたデジタル技術を活用して物流業務の仕組みそのものを改善していく取り組みが「物流DX」です。
物流DXを進めることは、単なる作業時間の短縮だけではなく、人手不足への対応や作業ミスの削減、従業員の負担軽減、物流サービスの安定化などにもつながります。
安田倉庫は、AIやロボティクスなどの先進技術を物流現場へ導入し、物流DXを進めています。
2021年にはDX事業推進室を設置し、将来的な人手不足や物流量の増加などに対応するため、倉庫内作業の自動化・省人化に取り組んできました。
倉庫内では、AGV(無人搬送車)やAMR(自律走行搬送ロボット)などを複数の拠点へ導入しています。
これらのロボットを活用することで、重量物の運搬を自動化したり、ピッキングや仕分け作業を効率化したりすることができます。
特に倉庫内では、商品を運ぶために従業員が長い距離を移動することがあります。搬送作業をロボットに任せることで、人がより判断を必要とする作業へ集中しやすい環境をつくることができます。
物流DXではAIの活用も進めています。
安田倉庫では、医療機器物流の検品工程にAI画像検品ソリューションを導入するなど、AIを活用した物流業務の効率化に取り組んでいます。
検品は商品の品質を維持するうえで重要な工程ですが、多くの商品を扱う物流センターでは作業量も大きくなります。
デジタル技術を活用することで、作業効率と品質の両立を図ることが期待できます。
デジタル化は倉庫内だけではありません。
事務作業についても、AI-OCRやRPAを活用して定型業務の効率化を進めています。
AI-OCRは紙や画像に記載された文字を読み取ってデータ化する技術で、RPAはパソコン上で行われる定型的な作業を自動化する仕組みです。
AIやRPAなどを活用した業務の自動化は、企業の業務効率化を進める方法の一つとしても注目されています。
こうした技術を活用することで、物流現場だけでなくバックオフィスを含めた生産性向上につなげています。
安田倉庫グループは、2025年度から2027年度を対象とする中期経営計画「強くなる、ひとつになる YASDA GROUP CHALLENGE 2027」を進めています。
この計画では、最先端テクノロジー、多様な人材、国内外のネットワークを組み合わせてグループ全体の競争力を高める方針を示しています。
対象期間には合計360億円の投資を計画しており、そのうち30億円をDX・システム関連へ投資する計画です。
長期ビジョン2030でも「革新的テクノロジー」を重要な要素として掲げており、デジタル技術の活用を今後の成長につなげていく方針が示されています。

安田倉庫が提供している価値は、商品を「保管する」「運ぶ」という物流の基本機能だけではありません。
企業のサプライチェーンが複雑化するなかでは、商品の特性に応じた保管環境、安定した輸配送、在庫管理、流通加工、国際輸送などを効率的に組み合わせる必要があります。
安田倉庫は、国内外の物流ネットワークと長年蓄積してきたノウハウを活かし、こうした物流業務を総合的に支援しています。
また、医薬品や医療機器、IT機器など、専門的な取り扱いが求められる分野へサービスを広げていることも特徴です。
さらに、AIやロボットなどのテクノロジーを物流現場へ取り入れることで、人手不足への対応や業務効率化、作業負担の軽減にも取り組んでいます。
物流は企業活動だけでなく、商品や医薬品などを必要な場所へ届ける社会インフラでもあります。
安田倉庫は、物流ネットワーク、専門物流、デジタル技術などを組み合わせることで、企業の事業活動と安定した物流を支えている企業といえるでしょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 安田倉庫株式会社 |
| 創立 | 1919年12月20日 |
| 代表者 | 代表取締役社長執行役員 小川 一成 |
| 資本金 | 36億210万円 |
| 主な事業 | 倉庫業、運送事業、不動産業 |
| 本社 | 東京都港区芝浦三丁目1番1号 msb Tamachi 田町ステーションタワーN 29階 |
| 上場市場 | 東京証券取引所 プライム市場 |
| 証券コード | 9324 |
上記は2026年10月時点で安田倉庫株式会社の公式サイトに掲載されている情報をもとにしています。
安田倉庫株式会社は、1919年の創立から100年以上にわたり物流事業を展開してきた企業です。
現在では倉庫での商品保管や輸配送だけでなく、メディカル物流、IT機器物流、文書情報管理、国際物流など、さまざまな物流サービスを展開しています。
特に、医薬品・医療機器やIT機器といった専門性の高い物流に対応していることや、国内外の物流ネットワークを活用した総合的な物流サービスを提供していることが特徴です。
また、AGVやAMRなどの物流ロボット、AI画像検品、AI-OCR、RPAなどのデジタル技術も活用し、物流現場や事務作業の効率化を進めています。
長年培ってきた物流ノウハウに新しいテクノロジーを組み合わせながら、企業のサプライチェーンや社会を支える物流サービスを提供している企業です。